せめて少しだけ幸せになりたい

君が笑ったり、君が泣くのが、私のことだなんて許せない

磔(はやにえ)第3巻 -やさしい躾と悪魔の福音書-

何から書いたらいいやら……とにかく聞いた後にここまで頭が痛くなる作品は初めてです。

例によってネタバレ部分が過多なのでそれでも構わないという方だけ読んでいただければ幸いです。

 

愛するために生まれ変わりたい――

月になりたいと願うお前がオレを創り出したのか。
いや違う。
なぜなら、浄化と言われる牢獄に閉じこめられたのはお前と出会う前だったのだから。


「元始、女性は太陽であった」
ヤツのお前に対する態度にオレは憤る。
月になりたいと気づいていながら、太陽であることを強要するアイツに憤る。
だが、最初にお前に出会ったのはヤツで、オレはそれを尊重するしか術がなかった。

ある夜、ヤツが決して見ることができない場所に証(しるし)を施すことを思いついた。
いいアイデアだと思った。お前もそれを受け容れた。
すぐに、実行できなかったのは、お前を幸せにできるのは自分だという確信がなかったからかもしれない。
しかし、考えれば考えるほど、二人の将来のことしか思い浮かばなくなってしまう。
やがて、躊躇いは風に流され月明かりが未来を照らしはじめる。

それが、全ての始まり。そして、物語の終わり。         (公式HPより引用)

 

 もう真尾浩一という男はなんなんでしょう……。

一個人の見解として、真尾浩一も景も悪くないと思います。

景は浩一を羨み憎んでいますが、それも彼女を愛しているからこその嫉妬で、浩一は幼い頃からの抑圧に逆らえないだけで何も悪いことをしている訳じゃない……だからこそ景は、余計に苦しんでしまったのでしょうか。

 景と過ごす最後の夜、切ない声で心情を吐露するシーンでは黒井勇さんの演技も相まって、心が痛くなりました。

 

 

愛する人を求め、全てをかけて愛した結末がこんな悲しいものになってしまうなんて、やりきれない気持ちになります。

 

 

特典はステラワース限定特典の『twilight編』。

夕方でも景と過ごせているので、景が主人格となった場合のifストーリーなのでしょうか。

子猫を構い倒す景がとにかくかわいい。かわいいのに抱くときは荒っぽくて、でも優しさはあって、これは好きになってしまっても仕方ないですよ……。

15分と短いのが残念でしたが、本編ではあまり無かった二人の甘い時間が新鮮で、良かったです。

 

ただ、本編でどうしても気になった部分が一つ。

本当に少しだけなのですが、BGMが入るところがありました。そこがお話に水を差すようで、あまり好ましくないと感じます。

ところどころのSEは良いのに、どうしてもBGMだけが引っかかってしまいました。

シナリオも、お芝居も良かっただけに残念に思います。

 

 色々と書ききれない部分があるので、また考察という形で書き残しておきたいと思います。

たまには後味の悪い作品も良いですね。

『課外授業』3時限目「ラインクロス」

 課外授業シリーズ全巻購入特典がこちらのアフターエピソードなので全巻買いました。黒井勇が好きなので。

 

 本編あらすじ(公式サイトより引用)

貴女は家庭の事情から逃げるように、毎夜美月学園の校舎内に「秘密の出入り口」から警備の目を盗んでこっそり入り込んでは夜を過ごしていた。

ある熱帯夜、貴女がプールに浸かっていたところ、深夜まで残業していた体育教師の岬に見咎められてしまう。貴女は逃げようとするがすぐに岬に抱きかかえられてしまう。 

衝動に突き動かされキスしてしまった岬に、貴女は自分の行為を見逃すよう脅す。岬は貴女への想いを打ち明けるが、貴女はそんな岬を利用しようと考える。両思いになったと勘違いして有頂天になる岬。

二人だけの学園で、こうして秘密の夜が始まった――。

 

 以下、ネタバレありの感想です。

 

 

 

 

 

 

 

先生×生徒ものです。上記のあらすじからして突っ込みどころが多いんですが、何より岬先生がヒロインを大人しくさせようとキスするのが意味わからなかったです。ケダモノかよ。

全編通して甘かったです。岬先生が生徒であるヒロインに振り回されつつも、行為中はちょっと積極的な岬先生(25)(DT)。

ちなみにヒロインは非処女です、恐らく。明言されてはいないのですが匂わすような描写がありました。

童貞食うシチュエーションは好きなのでここは良い点でした。

ヒロインの設定が、父子家庭かつ、父親が家庭に女性を連れ込むことがしょっちゅうな為、自宅を抜け出して学校に忍び込んだり男友達の家を転々としている……という設定で、個人的には好きでした。あまりシチュエーションCDでこういうヒロインいないような気がします。

 

最初にそういうことをするシーンが、上記のあらすじの通りプールに浸かっていたら先生に見つかって……というシーン。ここでは挿入無しのフェラ+精飲で終了……なんですけど私が腑に落ちないのはプールに浸かるならキャップを被れと!!!髪痛むよ……?

ラストに学校のプールの中で水中で致すシーンがあるんですが、そのときも衛生的にどうなんだとか薬品入ってるのに大丈夫なのかとか細かいところが気になって集中出来なかったです。

 

それと、黒井勇さんはとてもキス音が上手いのでそこも魅力だったのですが岬先生は童貞という設定なのでキスがやたら上手いのはちょっと違和感があったかもなあ、と感じました。

 

全巻購入特典のアフターエピソードでは、岬先生が退職をすると決まってからのお話しでした。

退職とはいえ依願退職で、転職先も決まっているのでそこまで暗い話にはなっていません。

タイトルにある通り、体育倉庫で致す内容なんですが、中休みに生徒と校内で致すのはちょっとどうかと思いました。そんなこと言ってたらこのシリーズ成立しないんですが……。

ここでもヒロインに振り回される岬先生が聞けたので個人的には満足です。

 

もうちょっと糖度抑えめで終始ヒロインが主導権を握っているような作品があれば良いんですけどねー……。

とはいえ黒井勇さんの演技は文句なしに良かったのでこれから出る作品のシナリオが良いことに期待しています。

 

時間があれば前作の2つの感想も書けたらと思います。それでは。